この記事で知ることができる内容!
- SR400の実際の最高速とその限界の理由
- SR400の最高馬力やエンジン特性
- 最高速を伸ばすためのカスタム方法
- 高速走行時の燃費や走行性能への影響
SR400は、そのクラシックなデザインと鼓動感ある乗り味で多くのライダーを魅了してきたロングセラーモデルです。しかし、実際の最高速がどれくらい出るのか、最高馬力はどの程度なのかといった性能面について、気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、「もう少し速く走らせたい」と感じて、カスタムによる走行性能の向上を検討している方も少なくありません。
この記事では、SR400の最高速を軸に、実際の走行性能や加速の限界、エンジン特性に触れながら、最高馬力や燃費との関係性についても詳しく解説していきます。
さらに、マフラーや吸気系など基本的なカスタム手法から、実際に最高速を伸ばすための具体的な方法、安全性とのバランスにも配慮した情報を網羅的に紹介します。
SR400をもっと深く知りたい方や、走行性能を高めたいと考えている方にとって、確かな知識と判断材料となる内容をお届けします。
SR400の最高速と実際の走行性能を詳しく解説

SR400に興味がある人にとって、最高速や馬力、燃費性能は気になるポイントです。
本章では、実際にどのくらいの速度が出るのか、なぜ加速が伸びないのかといった走行性能に関する疑問を中心に解説していきます。
また、高速走行時の振動や風圧による負担、燃費や航続距離の目安など、実用面での特徴や課題についても詳しく取り上げています。
最高速度は実際どのくらい?

SR400の最高速度は、公道で合法的に走行できる範囲ではおおむね120km/h前後が限界です。
これはノーマル状態での話であり、フルスロットルでアクセルを開けて到達できる実測値として、多くのユーザーが共通して体感しているラインでもあります。
その理由の一つに、SR400のエンジン特性があります。
空冷単気筒エンジンを採用しているSR400は、最大出力が発生する回転数が比較的低く、7000rpm付近でピークを迎えます。
この回転数での5速ギア走行時の理論上の最高速度は約148km/hとされていますが、実際の道路状況やライダーの体重、風の抵抗、傾斜などを考慮すると、そこまで到達することは非常に困難です。
さらに、最高速の測定には「走行抵抗」が大きく関わります。
空気抵抗やタイヤの摩擦、勾配、風向きなどが影響するため、理論値と実際の走行速度には大きな差が出やすいのです。特にネイキッドスタイルのSR400は風を受けやすく、ライダーの体力にも影響を与えます。
実例としては、高速道路でスロットル全開にしても120〜130km/hあたりが限界であり、それ以上は加速が伸びにくく、風圧や振動も大きくなって危険を伴うことがあります。
このため、SR400は「最高速を競う」バイクではなく、「扱いやすさ」と「鼓動感」を楽しむためのバイクと考えるのが適切です。

なお、マフラーや吸気系のカスタム、ギア比の調整などを行えば、若干の最高速アップは可能ですが、安全性や法令遵守を第一に考える必要があります。
SR400の最高馬力はいくつ?


SR400の最高出力(いわゆる最高馬力)は24PS(馬力)/6500rpmです。これは現代の400ccクラスのバイクと比較すると控えめな数値に見えるかもしれませんが、SR400というバイクの設計思想や目的を理解する上では非常に意味のあるスペックです。
この馬力値は、スポーツ走行を前提とした高回転型エンジンとは異なり、低中速域でのトルク感や乗りやすさを重視してチューニングされていることが背景にあります。SR400の魅力は、発進や巡航時のスムーズな加速と、単気筒エンジンならではの「ドコドコ感」です。
そのため、最高馬力よりも最大トルクの発生回転数が3000rpmと非常に低いことのほうが注目すべき点とも言えるでしょう。
また、最高出力を発揮する回転数もそれほど高くありません。SR400は高回転まで引っ張るタイプのエンジンではなく、6500rpm程度でピークを迎え、7000rpm以降ではパワーが落ち始めます。



このような特性により、ライダーは比較的低い回転数で快適に走ることができ、エンジンへの負担も少なく済みます。
なお、FI(フューエルインジェクション)モデルでは排ガス規制への対応の影響もあり、旧型キャブレター仕様と比べて若干パワーが落ちているという意見もあります。しかし、その分、扱いやすさや燃費性能が向上しており、日常使いやツーリングには非常に向いています。
このように、SR400は「馬力の数値」で評価すべきバイクではなく、「乗り味」や「フィーリング」で語られるべきモデルだと言えるでしょう。
高速がきついと感じる原因は?


SR400で高速道路を走っていると「きつい」「疲れる」と感じる人が多いのは事実です。
その原因は単一の要素ではなく、エンジンの特性、車体設計、ギア比、そして風の影響など、複数の要因が絡み合って発生しています。ここでは、それぞれの原因を詳しく解説していきます。
それでは、順番に説明していきますね。
エンジンの振動が蓄積する
SR400は空冷の単気筒エンジンを搭載しており、構造的に振動が出やすいバイクです。特に高速域では、1分間に1つのピストンが上下運動を繰り返すため、その慣性力が車体全体に大きく伝わります。
100km/h付近では、エンジン回転数が約4700rpmに達し、車体やハンドルからは明確な振動が伝わってきます。この振動が長時間続くことで、手足のしびれや腰・背中への負担が生じやすくなります。
ライディングポジションを頻繁に変えないと、次第に疲労が蓄積していき、集中力の低下につながる場合もあります。
風圧がダイレクトに体に当たる
SR400はネイキッドスタイルのバイクで、フロントカウルがありません。そのため、走行時の風を防ぐ手段が非常に限られており、特に時速90kmを超えたあたりから風圧の影響が顕著になります。
高速走行中、胸やヘルメットに直接風が当たり、体を前傾姿勢で支え続けなければならない状態が続きます。



結果として、首や肩、背中の筋肉に常に負荷がかかり、長時間走るほど疲労が増していくのです。
また、風の強い日や冬場は、風切り音や冷気が体力の消耗をさらに加速させるため、コンディションによっては短時間の走行でも大きな負担を感じることがあります。
快適性より「味」を重視した設計
SR400はもともと、高速巡航の快適性よりも「バイクを操る楽しさ」や「エンジンの鼓動感」といった、情緒的な要素を重視して設計されたバイクです。
そのため、決して高速道路での長距離移動に最適化されたマシンではありません。
とはいえ、80km/h前後のスピードであれば、エンジン音も落ち着いており、振動や風圧も大きな問題にはなりにくいです。こうした速度域で「風とともに走る」ような感覚を楽しむことが、SR400の真骨頂とも言えるでしょう。
このように、高速走行で「きつい」と感じるのはSR400特有の設計に基づくものであり、決して設計ミスや欠点というわけではありません。



SR400に乗る上では、このキャラクターを理解し、自分に合った乗り方やカスタムを見つけていくことが大切です。
最高速が伸びない理由を詳しく解説


SR400の最高速がなかなか伸びない理由は、エンジンの構造やバイクの設計思想に深く関係しています。
まず最初に理解すべきなのは、SR400は「速さを競う」ためのバイクではなく、「走ることそのものを楽しむ」ために作られているという点です。
単気筒エンジンならではの鼓動感と、シンプルな構造によるメンテナンスのしやすさを重視した設計が特徴です。
高回転域でのパワー不足
SR400は空冷・単気筒のエンジンを搭載しており、この形式は高回転域での持続的なパワーを出すことが不得意です。具体的には、最大出力が6500rpm前後で発生し、それ以降はパワーが落ちていく特性があります。
これにより、アクセルを全開にしても回転数の限界が早く訪れるため、加速が鈍くなり、最高速も伸び悩む結果となるのです。
ギア比も高速域向けではない
さらに、SR400のギア比も高速域には最適化されていません。5速ミッションの最終ギアは中速域での快適さを重視して設計されているため、高速走行時には回転数が上がり過ぎ、エンジンが唸るような感覚が強くなります。
この状態では、仮にアクセルを開けても加速の余地が少なく、スピードが頭打ちになりやすいです。
車体構造空気抵抗を受けやすい
また、バイク自体の車体構造も一因となっています。
SR400はネイキッドバイクであるため、ライダーは常に風を直接受ける状態になります。高速域になるほど空気抵抗は指数的に増大するため、それに打ち勝つだけの出力がなければ速度は上がりません。
SR400のエンジン性能では、この空気抵抗に負けてしまい、結果として最高速が伸びにくくなるのです。



このような理由から、SR400は「速さ」ではなく「味わい」を楽しむバイクといえるでしょう。
最高速を追い求めるよりも、トコトコと安定したペースで走る楽しさを求めるライダーにこそ向いている一台です。
燃費は最高速走行で悪化する?良くなる?


SR400に限らず、どのバイクでも最高速付近での走行を続けると燃費は明らかに悪化します。これはエンジンの回転数が高くなればなるほど燃料消費が増えるという、基本的なメカニズムによるものです。
特にSR400のような空冷単気筒エンジンでは、回転数が高い状態を維持することがエンジンへの負担にもつながるため、燃費効率は大きく落ち込みます。
通常、SR400の燃費はリッターあたり30〜35km程度が平均的な数値とされています。ただし、これは市街地や郊外を60〜80km/h程度で巡航した場合の話です。これが100km/hを超えるような高速走行になると、エンジンは常に高回転域に入り続け、必要以上に燃料を噴射することになります。



結果として、燃費は25km/L以下にまで落ちることも珍しくありません。
さらに、最高速付近ではエンジンブレーキの効きも弱くなり、アクセル操作に頼る場面が増えます。これによりスロットルを開け続ける時間が長くなり、燃料の消費が加速されてしまいます。加えて、空気抵抗の影響が大きくなるため、前に進むために必要なエネルギー量が増え、それが燃料の消費にも直結します。
仮に荷物を積んでいたり、強い向かい風を受けていたりすると、その分さらにエンジンに負担がかかり、燃費は一層悪くなります。
よって、高速道路などで長距離を移動する場合は、速度を抑えめに走行することが燃費を維持するコツといえるでしょう。
タンク容量と航続距離はどの程度?


SR400の燃料タンク容量は12リットルです。これは400ccクラスのバイクとしては標準的なサイズですが、実際の航続距離を考える際には、燃費との関係をしっかりと把握する必要があります。
まず、SR400の平均的な燃費はリッターあたり30〜35km前後とされています。この数値をもとに単純計算すると、満タン状態での理論的な航続距離は約360km〜420km程度となります。ただし、この数字は理想的な条件下でのものであり、実際には道路状況、気温、荷物の量、走行スタイルによって前後するのが一般的です。
例えば、市街地で信号が多く頻繁にストップ&ゴーを繰り返すような場面では燃費が悪化し、航続距離も300kmを切る可能性があります。一方、郊外のバイパスや田舎道などで、60〜80km/h程度の安定した速度で巡航するような環境では、400km近くまで伸びるケースもあります。
さらに、ガソリンの給油タイミングも考慮に入れるべきです。SR400の燃料計はシンプルで、残量の詳細な表示はありません。そのため、実際には「予備タンク」に切り替える目安として航続250〜300kmあたりで給油するのが安全とされています。
また、タンク形状の関係上、最後まで燃料を無駄なく使い切るのは難しく、給油口の構造的にもギリギリまで入れられない場合があります。長距離ツーリングに出る際は、ガソリンスタンドの場所を事前に確認し、早めの給油を心がけるのが安心です。
このように、タンク容量と燃費のバランスから見た航続距離の目安は、実用的には300〜350km程度と考えておくのが現実的です。



しっかり管理すれば、日常の通勤・通学からツーリングまで、幅広く対応できる十分な性能を備えているといえるでしょう。
SR400の最高速を伸ばすカスタム方法を紹介


SR400をより速く、快適に走らせたいと考えるなら、カスタムによる性能アップが重要です。この章では、基本的な吸排気系カスタムから、ボアアップ、ギア比調整に至るまで、最高速向上に効果的な手法を具体的に紹介します。
さらに、廃盤後のパーツ入手性や、高速道路走行時の快適性を高める方法についても触れており、実用的なカスタムのヒントが得られる内容となっています。
速くする基本的なカスタム方法


SR400をより速く走らせたいと考える場合、やみくもにパーツを交換するのではなく、理論的に効果が期待できる箇所を順序立ててカスタムしていくことが重要です。
もともとクラシックでシンプルな構成を特徴としていますが、その分カスタムの自由度も高く、基本的なポイントを押さえることで走行性能を段階的に引き上げることが可能です。
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それでは、順番に説明していきますね。
マフラー交換で排気効率を向上させる
最初のステップとして多くのライダーが取り組むのが、純正マフラーからパフォーマンスマフラーへの交換です。SR400の純正マフラーは排気音を抑える静音設計で、環境基準への配慮が重視されていますが、そのぶん排気の流れに抵抗が生じやすい傾向があります。
高効率な社外マフラーに交換することで、排気がスムーズに行われ、結果的にエンジンの回転上昇がスピーディーになります。これにより、トルクや伸び感が明確に変わり、最高速の向上も見込めます。
デザイン面でも個性を表現できるため、見た目と走りの両方を手軽にアップグレードできる点も魅力です。
吸気系をハイフロー仕様に変更する
排気系とセットで見直すべきなのが吸気系です。具体的には、エアクリーナーをハイフロータイプへ交換するのが一般的です。
純正エアクリーナーは吸気量をある程度制限する設計となっているため、空気の流入効率が最適化されていません。そこで通気性の高いエアフィルターやパワーフィルターに変えることで、より多くの空気をエンジン内部へ取り込むことができるようになります。
これによって燃焼効率が上がり、加速性能と最高速の両方に良い影響を与えます。ただし、吸気と排気のバランスが取れていないと効果が薄れるため、同時にセッティングを見直すことが望ましいです。
スプロケット調整でギア比を変更する
スプロケットの丁数を変更することで、エンジンの回転に対する駆動力の伝わり方を変えることができます。具体的には、リアスプロケットの丁数を減らすか、フロントを増やすことで、より高速向けのギア比になります。
これにより、巡航時のエンジン回転数を抑えることができ、結果として高速域での伸びが得られます。ただし、スタート時のトルクや加速感が鈍くなることもあるため、街乗りがメインの場合は注意が必要です。



目的に応じた丁数設定が、快適な乗り心地と速さの両立につながります。
点火系を高性能化して燃焼効率を上げる
最後に見逃せないのが点火系のカスタムです。プラグやイグニッションコイルといったパーツを高性能な製品に交換することで、点火のタイミングと火花の強さが安定し、より完全燃焼に近い状態が得られます。
これにより、加速時のエンジンレスポンスが鋭くなり、全体的な走行フィールが引き締まります。
特にエンジン回転数が高くなる高速域では、点火の安定性がパフォーマンスに直結するため、非常に効果的なカスタムといえるでしょう。
このように、SR400を速くするための基本的なカスタムは、個々のパーツを単体で交換するよりも、相互の関係性を意識してトータルで仕上げていくことが大切です。
吸気・排気・駆動・点火という4つの柱をバランスよく調整することで、SR400が持つ素朴な魅力を維持しながら、しっかりとした速さを引き出すことができます。



段階的にカスタムを行い、自分の理想の走りに近づけていく過程もまた、このバイクを楽しむ醍醐味のひとつです。
ボアアップで最高速はどこまで伸びる?


SR400をボアアップすることで、エンジン排気量が拡大され、トルクや出力の増加が見込まれます。これにより、最高速もある程度まで伸びる可能性があります。
ただし、どこまで伸ばせるのかは使用するキットやその他のカスタム状況に大きく左右されます。
バイクのボアアップとは、エンジン内部のシリンダー径(ボア)を拡大し、排気量を増やすカスタムのことです。これにより燃焼室に取り込める空気と燃料の量が増え、トルクやパワーが向上します。加速性能や最高速アップが期待できますが、エンジンへの負担も増えるため、冷却や耐久性の対策も重要です。
一般的に、SR400は純正状態で約135km/h前後が実用上の最高速とされています。これに対して、排気量を500ccや600cc近くまでボアアップした場合、エンジン出力が向上し、最高速が約150〜160km/h程度まで上がることもあります。
もちろん、これは吸排気や点火系、駆動系などのトータルセッティングが適切であることが前提です。
一方で、単純に排気量を大きくすれば速くなるというものではありません。エンジンの冷却性能や内部パーツの耐久性に負荷がかかりやすくなるため、冷却系の強化やオイル管理の徹底が求められます。



また、高速走行時の安定性を保つためには、サスペンションやブレーキの強化も視野に入れるべきです。
SR400ボアアップの注意点!
ボアアップによってエンジンのキャラクターが大きく変化するという点です。もともとの味わい深い単気筒のトルク感や振動のリズムが損なわれることもあり、好みが分かれるポイントになります。
速さを得る代わりに、SR400らしさが薄れてしまうリスクもあるため、その点も踏まえたうえでカスタムを検討することが大切です。
高速道路を快適に走るためのカスタム


SR400は基本的に街乗りやツーリング向けに設計されたバイクですが、高速道路での快適性を向上させるためには、いくつかのカスタムが非常に効果的です。
特に、風の影響や振動、ライディングポジションの疲労感を軽減するための工夫が重要になります。
- ウインドスクリーンの装着
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まず、高速巡航時の風圧を減らすには「ウインドスクリーンの装着」が有効です。SR400はネイキッドバイクのため、前方からの風を全身で受けてしまい、100km/hを超えると上半身がかなり疲れます。小型のビキニカウルやミドルサイズのスクリーンを取り付けることで、風の直撃を和らげることができ、長距離走行がぐっと楽になります。
- シートの交換
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次に挙げられるのが「シートの交換」です。純正シートは見た目はクラシックでおしゃれですが、長時間座るとお尻が痛くなることもあります。厚みのあるゲル入りシートや形状を工夫したものに交換することで、疲労の蓄積を抑えることが可能です。
- ハンドルの高さや形状の見直し
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また、「ハンドルの高さや形状を見直す」のも快適性に大きく関わります。純正のアップハンドルが腕や肩に負担をかける場合は、セパレートハンドルやバーハンドルに変更することで、より自然なライディングポジションが得られます。
- スプロケットの変更
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さらに、高速走行では「スプロケットの変更」も選択肢に入ります。ギア比を高速寄りにすることで、エンジン回転数を抑えて巡航できるため、エンジンノイズや振動を軽減できます。これは長距離移動時の疲労感にも大きく影響する要素です。
- 最適なタイヤの選定
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タイヤ選びも無視できません。高速安定性を重視したラジアルタイヤに履き替えることで、直進時のブレやふらつきを抑える効果があります。グリップ力の向上にもつながり、安全性が高まる点も見逃せません。
このように、風対策、乗り心地、ポジション、ギア比、タイヤといった複数の要素を見直すことで、SR400でも十分に快適な高速道路走行を実現できます。
カスタムの方向性を明確にし、自分の走り方に合った仕様を目指すことが、快適性アップのカギになります。
廃盤後のカスタムパーツ入手性について


SR400は2021年のファイナルエディションをもって生産終了となりました。これにより、「廃盤になったからもうパーツが手に入らないのでは?」と心配される方も多いかもしれません。
しかし現状では、カスタムパーツの入手性はむしろ安定しており、むしろ豊富な選択肢が残されています。
まず、SR400は40年以上にわたって生産されてきたモデルで、支持層が厚く、カスタムベース車両としても高い人気があります。このため、各パーツメーカーが積極的にアフターマーケット部品を供給しており、エンジン系・足回り・外装パーツまで幅広い商品が今でも販売されています。
特に国内メーカーであれば、デイトナ、ヨシムラ、WMなどがSR400向けにパーツを継続的にリリースしている状況です。
また、近年ではインターネット通販やフリマアプリの普及によって、中古パーツや廃盤品の流通も活発です。新品で入手できないアイテムでも、中古市場をうまく活用すればかなりの確率で探し出せます。さらに、海外の一部パーツブランドからは逆輸入品も流通しており、個性的なカスタムを目指すライダーにとっても選択肢は豊富です。
ただし、注意すべき点もあります。
今後、時間の経過とともに部品の供給は徐々に減少していく可能性があるため、欲しいパーツが明確であれば早めに確保しておくのが賢明です。また、エンジン内部の純正部品や専用設計の電子部品などは将来的に入手困難になることも想定されます。
このように、廃盤後であってもSR400のカスタムパーツはまだまだ手に入りやすい状況が続いています。



長く乗り続けたい方は、今のうちから信頼できるパーツ供給元を確保しておくと安心でしょう。
排気系カスタムでどれくらい最高速変わる?


排気系のカスタムは、SR400の最高速に少なからず影響を与える要素の一つです。
SR400の純正マフラーは、音量や排出ガス規制への対応を優先して設計されています。そのため、排気抵抗が高く、特に高回転域では排気ガスの抜けが悪くなる傾向があります。これがエンジン回転の上昇を妨げ、最高速が伸び悩む原因にもなります。
ここで「社外マフラー」に交換することで、排気の通り道が最適化され、エンジンの吹け上がりが軽快になります。結果として、最高速が数km/hほど向上するケースも珍しくありません。特に、フルエキゾーストタイプのマフラーはエキパイから設計されているため、より大きな効果が期待できます。
ただし、マフラー交換だけでは性能をフルに引き出すことは難しいという点も理解しておくべきです。吸気系や燃調、点火時期などとのバランスが取れていなければ、せっかくの排気効率も無駄になってしまいます。



特にキャブレター車両ではセッティングがシビアになりがちで、適切なジェット選びが求められます。
また、排気音が大きくなるタイプのマフラーは近隣への配慮や法規制の問題も伴います。公道での使用を考えるのであれば、政府認証品やJMCA認定マフラーなど、合法的に使える製品を選ぶのが無難です。
このように、排気系のカスタムは最高速を少しでも向上させたい人にとって有効な手段ですが、エンジン全体のバランスや使用環境も考慮して選ぶ必要があります。
ギア比調整で最高速をアップする方法


SR400のギア比を調整することによって、最高速を向上させることは理論的にも実際にも可能です。
ギア比とは、エンジンの回転数をタイヤにどれだけ伝えるかという比率のことで、スプロケットの歯数を変えることで簡単に調整できます。
SR400の純正スプロケットは、街乗りや中低速域での扱いやすさを重視した設定になっています。そのため、高速道路での巡航や最高速走行では、エンジン回転が高くなりすぎてしまい、速度を上げることに限界を感じることもあるでしょう。
一方で、ギア比を変更すると加速性能が落ちるというデメリットもあります。発進時や坂道での力強さが弱まり、特に市街地での走行に違和感を覚える場合も。
そのため、日常的にどのようなシチュエーションで乗るかを考えたうえで、ギア比を決定することが大切です。
加えて、チェーンの長さ調整やテンションの再調整も必要になるため、作業にはある程度の整備知識が求められます。自分で作業が難しい場合は、バイクショップに相談するのが安心です。



つまり、ギア比の調整は最高速を意識した仕様にしたい人にとっては、有効なアプローチと言えるでしょう。
SR400の最高速と走行性まとめ
最後にこの記事のポイントをまとめておきます。
- SR400の実測最高速はおおむね120〜130km/h前後
- 理論上の最高速度は約148km/hとされるが現実的ではない
- 空冷単気筒エンジンは高回転域の持続力に乏しい
- 最大出力は24PS/6500rpmで、現代の400ccと比べ控えめ
- 高回転域では出力が落ち始めるため伸び悩みやすい
- ネイキッドスタイルで空気抵抗の影響を受けやすい
- 高速巡航時の振動と風圧が疲労の大きな原因となる
- 5速ミッションは高速向きではなく回転数が上がりやすい
- 最高速域での燃費は悪化しやすく、25km/Lを下回ることもある
- タンク容量は12Lで、実用航続距離は約300〜350km程度
- マフラーや吸気系のカスタムで排気効率を改善可能
- ギア比の調整により最高速を伸ばすことができる
- 排気系や点火系の見直しで加速と伸びを補える
- ボアアップで最高速150〜160km/hまで向上する可能性あり
- 高速走行の快適性向上には風防やポジション改善が有効
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